イニシエゴゴロ
ねぇ君が僕を欲しいというのなら
僕の何が欲しいのか提示して御覧よ
僕は一つもほしがられる物なんてさ
なんにも持っちゃいないんだけどね
其れを理解出来て居ないのかな?君は
昔みたいに、理由もなく愛もなく在れれば簡単だろうに
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ね?
私は退屈の中に小さな遊びを見つけたでしょう?
頸遊びだなんて、君、狂ってるよ
そう言った人がいたの
桜の咲く木の下に
坂口安吾
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何だかんだ云って、結局変化などあり得ないと云うのです
変化は弱いから望んでしまう物だと云うのです
彼は頸を振って自分の鼻を軽く叩きました
私は小さな石ころを蹴って
こんな人生でしょう?
そう呟いた
夢
夢の中で鼻を叩いたのは誰?
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惨めでも、さ、死ぬまで、這い蹲ってでも歩いて
特急列車行き
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全てが幻想だなんて誰が言ったの?
何処にでも在る此の紅い石ころだって
忽ち柘榴の甘い果汁を流すのに
君は気付いて居ないのさ
甘いキャンディに
赤い雫
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きみはなにもしらされていなかったのさ
事実は彼を隔離していた
彼は事実に息を吐いた
隔離されて知らなかった事実など無かったけれどね
彼は赤い唇を歪めて笑った
愚かだよ
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君も物好きだね
大概、諦めた方が楽だろうに
□ delate
何も見たくない聞きたくない そう我儘を付いて