蜘蛛の手足の様に無数に気味悪い程に
くらりのらりと、目の前を泳ぎ回る屍臭に目を閉じる
骨の魚は宙を泳ぎ回り、僕の視界を遮るだろう
瞬間に僕は手を仰ぎ、それらを一掃し、消滅させる
それはいとも簡単に、そして呆気なく
高層ビルの最上階に鎮座する僕は立ち上がり
盛大なるワルツを奏でるだろう
そして、嗤うとしよう
愚かで、愛おしすぎる君へ。
僕は、恨んでいたのだと
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ほら、其処!
だらだらしていないで、撃つ!
撃つのです!撃つのです!
何をって、君、君、そんなの決まっているじゃないか。
人だよ、人。
其処、無駄なお喋りはやめなさい!
撃つ!
撃つのです!撃つのです!
間違っていやしないよ。
君だって、ほら。
その片手にぶら下げているのさ、緋色の拳銃を、ね。
良い具合に狂ってる
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声が涸れるくらい叫んでみて下さいよ、君のね。
え、だって、僕の喉はね既に干涸らびて砂ですから。
地球に帰ったのですよ。
え?
もちろん、ジョーク、ですよ。
ああ、全く。
ほら、冷静に考えてみなよ。
これ、夢だぜ?
装い
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後ろがなければ前という時も生まれやしなかったであろう
前が生まれなくとも後ろは存在し続けた、事実ばかり鮮烈に
後という存在が生まれやしなかったのなら、生きた証拠など残りやせず、
盲目的に歩いているだろう、呼吸すらも混迷する、呆気なく
拙く、時間に埋もれ、ならば、それならば、いかにせよというのか
雑音でさえ、世界には微動という変化すら与えられぬのだ
私には、たゞ其れは、見れば黙過に落ちた果物に見えた
(其れを世界は愚答だと罵るだろうか)
腐った林檎の落ちた地面へ
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愚か者め!ああ、怨めしい!
美しく頬笑んでいた笑みはなりを潜め、
醜いばかりの奇声を張り上げる。
ああ、終ってしまった。
この女王の統治する時は終った。
人は狂ってゆく。
それは、女王が始めた法則だった。
ただ、その涙だけは美しかった
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ハァイ、マイ、ディア。
君ら、いったん表にでなよ。
そうそう、高層ビルから真っ逆さまにさ。
つまり、ね、死んでこい。だよ。
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さっさと、成仏でもしてみなよ、
そうすれば、きっと救われるさ、神様ってやつにさ!
□ delate
知っていて欲しかった、あの赤について