白い、白い、
白い指を頸に搦めて、ふふと、小さく笑った。
嗚呼、やっぱり、あの子は気味の悪い子だよ。
「壁に耳あり、障子に目あり、と――」
教えたのはあの声だった筈だ。
(嗚呼、気味の悪い、)
指を、く、と頸の骨の間に押し込んだ。
醜い音が入った。
「お黙り」
日に焼けた喉元に力を入れ先が白くなった指が、す、と
す、と
膨張して色の変色した、冷たい唇に、そ、と赤い紅を乗せて口付けた。
「お前が、先に、裏切ったのよ」
嗚呼、嗚呼、なんて気味の悪い、気味の悪い、子どもだこと
(200612)
一方には好きであることと、遣えることは違った
一方には好きであることと、遣えることは同意義だった
その違い
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