拙な哀
日、有意義に生きたいと願った、時
躯を擲とう、そう黙想
擲つことは至極簡単で
とても難解で単調だった
訳もなく空を見上げ手を離した、意識
分かれ道を示した標識
手、ひらり、別れ路、サヨナラ、リバース
音は聞き取らずに、舌は腐り堕ちていく
言葉を擲ち耳に蓋をし
目を閉じ、開けば太陽は眩しく
日陰ですら明るい
網膜に焼き付いた明暗の陰影は
不確かにそこに存在していた
一瞬の秒、静かに確実に微動
姿を変えては生まれ消えた彼らへ
手を数度、黙祷
(標識は変わらず在り続ける、それが風化しようとも無動)
(羨望と嫉妬は拙にどこまでも拙く、深い侭)
(200709)
何かが同一であることなど有り得ない。人も、時もまた然り。だから焦がれて。
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